「子どもが生まれてから、お金の不安が一気に増えた…」
- 教育費はいくら必要?
- 老後資金まで手が回らない
- 投資したいけど、失敗したら家族に迷惑がかかりそう
- 何から始めればいいのか分からない
子育て家庭にとって、 資産形成=将来の安心を守る行動です。
でも安心してください。 子育て世帯の資産形成は、正しい順番と仕組みさえ作れば、無理なく続けられます。
- 子育て家庭が資産形成で失敗しやすい理由
- 教育費と老後資金を両立する考え方
- 年代別(0〜18歳)の資産形成ロードマップ
- NISAを使った現実的な積立戦略
- 「やらなくていいこと」「後回しでいいこと」
を、初心者目線でやさしく解説します。
読み終わる頃には、 「今の我が家は、次に何をすればいいか」がハッキリ分かるはずです。
結論

子育て家庭の資産形成は、この順番でOKです。
- 生活防衛資金を確保
- 家計を壊さない積立額を決める
- NISAで長期積立を自動化
- 教育費は「全部投資しない」
- 老後資金は早く・長く育てる
すべてを一気にやる必要はありません。 “今のフェーズに合ったことだけ”やれば大丈夫です。
なぜ子育て家庭は資産形成が難しく感じるのか?
理由はとてもシンプルです。
お金のゴールが多すぎる
- 出産・育児費用
- 保育園・習い事
- 小・中・高校
- 大学費用
- 住宅ローン
- 老後資金
同時に考えるものが多すぎるため、不安が先行します。
「教育費=全額現金で用意しなきゃ」と思いがち

「教育費も老後資金も、同じように貯めるしかないのかな…」



実はこれが、子育て世帯の最大の思い込みです。
教育費 → 使う時期が決まっている(明確)
老後資金 → 使うのは20〜30年後(未確定)
時間軸がまったく違うのに、同じ考え方で貯めようとしてしまうため、苦しくなるんです。
実は、目的別に「戦略を変える」だけで、ぐっと楽になりますよ。
【教育費 vs 老後資金】実際にかかる金額


ここで、現実的な数字を見てみましょう。
子育てにかかる費用の実際
| 項目 | 金額 | 期間 |
|---|---|---|
| 出産・育児用品 | 約50万円 | 一度 |
| 保育園(0~3歳) | 36~180万円/年 | 3年間 |
| 幼稚園(3~6歳) | 月8,000~25,000円 | 3年間 |
| 小学校 | 約150万円 | 6年間 |
| 中学校 | 約150万円 | 3年間 |
| 高校 | 約150万円 | 3年間 |
| 大学(国公立) | 約400~500万円 | 4年間 |
| 大学(私立) | 約600~800万円 | 4年間 |
【時間軸で見る】教育費 vs 老後資金
教育費 vs 老後資金の時間軸
人生100年の資産形成:お金の役割は時期によって大きく異なります
小学校
中学校
高校
大学
元本割れはNG ✓
定期預金・債券で準備
趣味・旅行
介護費用
相続準備
複利効果が活躍 ✓
NISA投資で準備
= 老後資金が自動で成長する仕組み
実際にかかる費用
【全額自己資金ルート】
- 公立ルート合計:約950万円
- 全私立ルート合計:約1,700万円
【制度を活用した場合】
- 児童手当:200万円(0~18歳)
- 高等教育無償化:240万円
- 奨学金活用:可能
→ 実際の自己資金必要額:300~500万円程度



「え、全部自分たちで用意しなくていいんですか?」



そうなんです。「全部自分たちで貯めなきゃ」と思い込んでいた人へ:
実は、制度活用と教育ローンで、かなりの部分をカバーできます。 だからこそ、老後資金に手が回る余裕が生まれるんです。
300万円~500万円準備できれば、十分なんですよ。
子育て家庭の資産形成|基本ルール3つ


まずは、この3つだけ覚えてください。
① 生活防衛資金が最優先
投資の前に、必ずこれを確保します。
- 必要額:生活費の3~6ヶ月分
- 形式:普通預金でOK
例(月生活費20万円の場合)
💰 生活防衛資金の貯蓄目標
月生活費20万円の家庭を例に、1年間で120万円を貯める計画
(やや不安)
(心理的に安定)
これがない状態で投資すると、 急な出費(医療費、車修理、失業等)で「安い時に売る」最悪のパターンになりがちです。



「120万円?それって、本当に必要なんでしょうか…」



その気持ちはよく分かります。
でも、実際にこんなことがあるんです:
子どもが急に入院 → 医療費がかさむ → 焦って投資信託を売却 → その直後、市場が大きく上昇
こういう後悔は、生活防衛資金があれば防げるんですよ。
「不安で焦って売る」という最悪の判断をしなくて済むために、これが必要なんです。
② 教育費は「安全重視」、老後資金は「成長重視」
| 項目 | 教育費 | 老後資金 |
|---|---|---|
| 使う時期 | 明確(18年後) | 未確定(45年後~) |
| 時間軸 | 短期 | 長期 |
| 推奨方法 | 定期預金・個人債券 | NISA(投資信託) |
| リスク許容度 | 低い | 高い |
教育費まで全額投資に回す必要はありません。
③ 自動化できない資産形成は続かない
子育て中は、考える時間がありません。
毎月考える
毎回判断する
「一度決めたら、あとは自動」 これが正解です。
【年齢別】子育て家庭の資産形成ロードマップ


ここからが本編です。 お子さんの年齢に合わせて、今のフェーズだけ見てください。
0~3歳|土台づくり期(出産~保育園入園)


この時期の優先順位
- 家計の固定費を整える
- 生活防衛資金を確保
- 少額でもNISAを始める
具体的なアクションプラン
ステップ1:固定費削減で月10万円確保
削減対象と目安削減額:
| 項目 | 削減前 | 削減後 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 保険料 | 月15,000円 | 月10,000円 | 5,000円 |
| 通信費 | 月10,000円 | 月7,000円 | 3,000円 |
| サブスク | 月5,000円 | 月3,000円 | 2,000円 |
| 合計 | 月30,000円 | 月20,000円 | 月10,000円 |



「月10,000円削減できますか?そんなうまくいくんでしょうか…」



そう思いますよね。でも実は、子どもが生まれてから家計を見直すと、 本当に多くの無駄が見つかるんです。
私が見てきたケースでは、月30,000円の固定費を月20,000円に減らした家庭がほとんど。 その差額10,000円が、NISA積立の原資になります。
「できない」と決めつける前に、一度見直してみてください。
ステップ2:月30万円の生活費で回すプラン
例:手取り月収32万円の家庭
💼 月収32万円の家計内訳
0~3歳の子育て家庭における現実的な配分プラン
住宅ローン等
1年で120万円目標
20年で育てる
余裕を持った配分で、急な支出にも対応可能
✅ 生活防衛資金優先
1年で120万円(6ヶ月分)を確保し、心理的安定と投資判断の安定性を確保
✅ NISA月3,000円から開始
「習慣づくり」の段階として、無理なく20年間の長期投資をスタート
✅ 子どもが成長すれば増額可能
生活費が安定してきたら、月5,000円→10,000円へ段階的に増やせる柔軟性
1年間で達成できる目安:
- 生活防衛資金:108万円確保(月9万円×12ヶ月)
- NISA運用資産:36万円(月3,000円×12ヶ月)
ステップ3:NISAの積立設定
推奨設定:
- 商品:全世界株式インデックスファンド
- 金額:月3,000円
- 期間:20年間自動積立
結果:月3,000円で何ができるのか?
📈 月3,000円NISA積立の20年シミュレーション
0~3歳から始める長期投資の威力を数字で実感
この時期の心構え
- 月1,000円でも始める価値あり
- 「毎月自動で積立」の仕組み作りが最優先
- 完璧を目指さない(70点でOK)
4~9歳|積立を育てる期(保育園終了~小学校中盤)


この時期の優先順位
- NISAの積立額を少し増やす
- 教育費用の全体像を把握
- ボーナスは生活費に組み込まない
具体的なアクションプラン
ステップ1:月の積立額を増やす
家計が少し安定してくる時期です。
年収別・推奨積立額:
| 年収 | 手取り月額 | 推奨NISA | 20年後の金額 |
|---|---|---|---|
| 450万円 | 32万円 | 月3,000円 | 約103万円 |
| 600万円 | 42万円 | 月5,000円 | 約170万円 |
| 750万円 | 52万円 | 月8,000円 | 約270万円 |
| 900万円 | 56万円 | 月10,000円 | 約340万円 |
目安:「家計の5~10%」を投資に回す
ステップ2:教育費の目安を決める
「我が家の教育方針」を決めておく
🎓 教育費シナリオ:公立 vs 一部私立
現実的な2つのシナリオから、あなたの目標資金を逆算
どのシナリオにも対応できる!
制度や奨学金で、かなりの部分がカバーされます。
✅ 月2~2.5万円の貯蓄で対応できる
月1万円の生活防衛資金積立 + 月2~2.5万円の教育費貯蓄 = 月3~3.5万円
手取り32万円の家庭で十分対応できます。
✅ NISA(月3,000円)は老後資金に集中できる
教育費は別枠で安全資産で準備し、NISAは長期投資に専念できる効率的な戦略です。
ステップ3:習い事の固定費に注意
この時期、習い事が増えやすいので注意が必要です。



「習い事ってそんなに影響あるんですか?」



あるんです。実は多くの親がここで失敗しているんです。
習い事の費用:月10,000円 × 12ヶ月 = 年120,000円
この支出が増えると、NISA積立が減ってしまいます。
「家計の中で習い事費用を決める」ことが、実は何より大事なんですよ。
子どもの「やりたい気持ち」と「家計のバランス」、両方大切にしてください。
この時期の目標
- 積立金額:月5,000~10,000円
- NISA運用資産の目安:60~120万円
- 生活防衛資金:200万円確保
10~15歳|教育費を見える化する期(小学校後半~中学校)


この時期の優先順位
- 高校・大学費用の目安を決める
- 教育費用は安全資産で準備
- 老後資金の積立は止めない
具体的なアクションプラン
ステップ1:高校・大学費用を「現金化」開始
使う時期が近いため、投資ではなく「貯蓄」へ切り替え
🔄 NISA資産の段階的な資金配分見直し
10年目から始まる、教育費への転換戦略
フル投資で育てる
見直しが始まる時期
完成する時期
✓ さらに成長
✓ 定期預金等
教育費と老後資金を同時に準備できます。教育費をすべて投資に回す必要はありません。
使う時期まで残り2~3年なら定期預金へ。残り5~8年なら個人債券へ。
時間が短くなるほど、リスクを下げるのが基本です。
分割後も、老後資金部分(90万円)は投資を続けます。
子どもが20歳の時点から親が65歳までまだ45年あるから、最大限複利を活用できます。
実際には、家計の変化に応じて調整できます。
この流れは「目安」だと思ってください。重要なのは「長期でコツコツ」です。



「250万円を分けるって、難しくないですか?」



実際にやってみると、思ったより簡単なんです。
NISA資産:250万円あった場合 ├ 老後資金(投資継続):150万円 └ 教育費(安全資産へ移す):100万円
基本的には「あと何年で使うのか」で判断するだけ。 15年先に使うなら投資継続、5年先に使うなら定期預金へ。
シンプルな判断で十分ですよ。
ステップ2:教育費の”全体像”を確定させる
このタイミングで最終決定
用意する」と決定
ステップ3:老後資金は止めない
ここが子育て世帯の最大の防御です。
老後資金の積立を減らさない!
この時期の心構え
- NISA積立は続ける(月5,000~10,000円)
- 教育費を別枠で準備する(貯蓄・定期預金)
- 「教育費+老後資金」の両立が、この時期の成功の鍵
16~18歳|仕上げ期(高校~大学入学)


この時期の優先順位
- 教育費の現金化・確保
- NISAは淡々と継続
- 住宅・保険の見直し
具体的なアクションプラン
ステップ1:教育費を完成させる
定期預金・個人債券から現金化
教育費が整っている」状態
ステップ2:NISAは淡々と継続
ここは投資を続けるチャンスです。
親の資産形成の黄金期
20年以上の長期運用で複利効果が最大化される



「子どもが独立した後も、本当にNISA続ける必要あります?」



ここが大切な視点の転換なんです。
「子どもの教育費が終わった」と思ったら、 ここからが自分たちの老後資金の本番です。
NISAの積立を止めずに、20~30年続けることで、 老後資金が大きく育ちます。
むしろ、これからが投資の時間が活躍する時期なんですよ。
子育て家庭のNISA活用・現実解
おすすめはシンプルにこれだけ。
- 投資信託:全世界株 or S&P500
- 本数:1本
- 方法:毎月自動積立
- 期間:20年以上
「教育費も老後も、全部NISAで」にしなくて大丈夫です。
子育て家庭がやらなくていいこと


「シンプル」「継続」「気軽」
この3つが成功の秘訣
“続かない完璧”より、”続く7割”が正解。
まだ不安が残っている人へ
もし今、「まだ不安が残る…」と感じていても大丈夫です。
資産形成は”完璧に理解してから始めるもの”ではありません。
このSTEP5を順番に進めることで、自然と不安は小さくなっていきます。
次のステップへ進むたびに、「あ、こういうことか」という気づきが増えます。
完璧さより、「まず一歩」を踏み出すことが何より大事なんです。
最後のまとめ
子育て家庭の資産形成ロードマップ
- 生活防衛資金を最優先
- 教育費と老後資金を分けて考える
- NISAは長期・自動・シンプルに
- 年齢フェーズごとにやることを変える
- 「今やるべきこと」だけに集中
【年代別チェックリスト】
0~3歳:
- [ ] 固定費を月10,000円削減した
- [ ] 生活防衛資金120万円を目標に貯蓄中
- [ ] NISA月3,000円を設定した
4~9歳:
- [ ] NISA積立を月5,000~10,000円に増やした
- [ ] 教育費の全体目安を決めた
- [ ] 生活防衛資金200万円を確保した
10~15歳:
- [ ] 教育費を「投資」から「貯蓄」に移した
- [ ] 高校・大学費用の目安を決定した
- [ ] NISA積立は継続中
16~18歳:
- [ ] 教育費を現金化した
- [ ] NISA積立は淡々と継続
- [ ] 親の老後資金モードへ切り替え
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